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【31】
智絵「家主からここを正式にお借りしているんです。そうですよね?」
佳織「さあ、ちょっと、覚えてません

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【32】
木内「決まりだな。息子を!息子を返してぇぇぇ!アンタたちは悪魔よ!」
日野「アンタの息子の事は、こことは関係ないだろ」
木内「出ていけー!この村から出ていけー!」
日野「おい、落ち着け!

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【33】
水本「無理もありません。数年間に別れたきりなので。それで彼女は?」
早希「お迎えですか?」
水本「ええ。というか。まずはちょっと話をしたいんですが」
早希「あのー、一応、決まりがありまして。代わりの方が来られる場合、事前に連絡を貰ってないとダメなんです」
水本「急に来て迷惑なのはわかってます。少しだけ会う事はできますか?」

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【34】
智絵「保育所の許可とってないどころか、何で宗教団体扱いされてんの!何も説明しようとしてないだけでしょ?言ってないだけでしょ?」
佳織「そうよ!だから何?!私、まだ言ってない事あるわよ!」
智絵「開き直ってんじゃないわよ!ちょっと待って!やめて。何!」
佳織「本当はね、あの504号室も、この部屋も、私のじゃないの」
智絵「怖い。本当にやめて。何それ。怖い



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【35】
早希「あの。さっき、さとみちゃんの関係者らしい人が。多分、お父さん?」
佳織「あそこ、シングルマザーのはずだけど。お父さんがいたって事?」
早希「そうみたいなんです。一応、お引き取り頂きましたけど」
佳織「金森さん、わけありっぽいからな。複雑な感じよね」
智絵「お引き取り頂くのが懸命ね。赤ん坊の様子は?」
早希「ちょっと、買い物に行ってきます。服を。服が。いや、あのー。いいです。信じてもらえないと思うんで

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【36】
三輪「だんだんと、アンタの姿が霞んで見える。人生は長いようで短いなどと言うがね、この年まで生きると、やはり短いようでいて、長い」
女「一週間のお話です。こういう歌があります」
三輪「それはもういい。聞き飽きた」
女「ソロモン・グランディ、月曜日に生まれた。火曜日に洗礼を受け、水曜日に嫁をもらい、木曜日に病気になった。金曜日に病気が悪くなり、土曜日に死んだ。日曜日には埋められ、一巻の終わり

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【37】
女「アナタはこれから、人生の扉をくぐるたびに成長をつづけます。そうして、ソロモン・グランディのスピードの上を行くんです」
三輪「生まれて数時間後に大人になってたら周りが訝しむだろ!」
女「そこは上手くやってください。では、そろそろお別れです」
三輪「待ちなさい。やりっぱなしはよくない!」

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【38】
三輪「ちょっと待ってくれ!僕はもう、こんなものいらないんだ」
早希「だって、そろそろミルクの時間だから」
三輪「この格好を見て、おかしいと思わない?」
早希「急に大きくなったような気がする。服のサイズが追い付かないわ」
三輪「でかくなりすぎじゃない?やはり7日間すらもたないかも。やっと、意識がはっきりしてきた」

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【39】
三輪「保育園?いつから?誰がそんな勝手を許した?」
早希「持ち主の了解は得ていて。正確にはそのお孫さんらしいですけど」
三輪「聖美が?」
早希「佳織さんが」
三輪「誰?それ

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【40】
日野「何で監禁だなんて事になってんだよ。ただの保育園じゃねぇのかよ」
水本「日野さん、汗がすごいですけど」
日野「だ、だ、大丈夫。飲んだ水がそのまま出てきているだけだから」
水本「それ病院いった方がいいですよ

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撮影者:佐藤淳一  ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。