新野アコヤ
キコちゃん
「何でアナタ達は死んじゃったのか。ゆっくり思い出してみましょう」
▼50年程前にこのマンションに住んでいた快活な少女。隣に越してきた榊家の表札に書かれた「公彦」の字が読めず、その少年の事を「ハム(公)くん」と呼んで仲良くしていた。亡くなった友人の母親を取り戻す為に、池に映った月を手に入れようとするも誤って落水し命を落とす。その後、いわゆる霊として何故か303号室で暮らしている。
小林知未(多少婦人)
明神 結有(ミョウジン ユウ)
「っていうか、死んでるの?私?」
▼霊媒師・大谷の次女。愛実の妹。父親が服役し、多額の借金を返済する為に実家を手放す事になる。その当時の愛実の交際相手で、面識もあった神宮の好意で、長期の海外出張で不在の間、愛実と共に303号室に住まわせてもらう事になる。が、2年前のある日、愛実が外出から戻った際に、首を吊った状態で発見される。
坂本ともこ
伸藤 未世(シンドウ ミヨ)
「いやー。これは。冷静ではいられませんけど」
▼3年程前に神宮と交際していて、303号室に押し掛けるように同棲していた。ある満月の夜に、裏の池に屋久がブルーシートのようなものを投棄していたのを目撃してしまい、また、それに気付かれてしまった為、殺害される。その後、いわゆる霊として303号室に現れ、幸せな結婚生活をしている神宮夫妻を目の当たりにする。
犬井のぞみ
榊 伊緒(サカキ イオ)
「でも、そうやって自分を責めながら生きてるの見てられない」
▼4年程前に303号室で父である公彦と2人暮らしをしていた。部屋のAIスピーカーに話しかけるのを日課にしていたが、ある日、それがどこかの部屋の盗聴された声だと知らされる。父親が仕事に出かけて一人になった所を屋久に襲われる。その後、いわゆる霊として303号室に現れ、未だに自分の死を受け入れられない公彦を気にかける。
大崎優花
神宮 愛実 (ジングウ ツグミ)
「あれほど言ったのに、こんな大勢の前でおぺいぺいしたのか!」
▼結有の姉。3年前に神宮と出会い交際を初める。身を寄せていた神宮の部屋で妹が自殺しているのを発見する。その原因の1つが父親にあると思っており、それ以来、縁を切っている。結有の死の2年後に結婚、以来、心霊現象を毛嫌いしつつ、亡くなった妹の想いに触れたいという自己矛盾を抱えながら、303号室に住み続けている。
塩田良平
神宮 真人(ジングウ マコト)
「仕方がないんだ。俺は、選ばれた人間だから」
▼榊家が退去した4年程前に、303号室に入居した男。当時交際していた未世と生活していたが、ある満月の夜に些細な事で喧嘩し、未世は姿を消す。その後、愛実と出会いやがて結婚する。出張から帰った日に、亡くなったと聞かされていた愛実の父親と出会い、自分に死者の声を聞く特殊な力があると思い込み始める。
岩田裕耳
榊 公彦(サカキ キミヒコ)
「俺はただの、ルナブリンガー猛」
▼幼少期にこのマンションに住んでいたが、初恋の相手だった隣室の女の子を池の事故で失う。50年後の現在も彼女を想い、独身を貫いて養子の伊緒と303号室で暮らしていた。ホスト業をしながら娘を育てていたが、伊緒はある日を境に失踪する。部屋を引き払い数年間、娘の行方を探し求めるも手がかりがなく、再びこのマンションを訪れる。
町屋圭祐(劇団昴)
屋久 玲司(ヤク レイジ)
「今日は月が綺麗ですね」
▼マンションの管理人。長らく難病に冒されていた妻を満月の夜に亡くす。その昔、裏の調整池で、とある女の子が落水し命を落とした代わりに、その友達の母親が息を吹き返したという噂話を信じており、妻を取り戻したい一心で満月の夜になると、マスターキーを使って侵入し、住人の女性を手に掛けては池の底に沈めていた。
小原雄平
三浦 栄輔(ミウラ エイスケ)
「昔の事は覚えてないです!」
▼マンションの302号室に長年住んでいる職業不詳の男。管理人の屋久の相談相手を自認しているが、屋久には煙たがられている。超常現象に興味をもち、かねてより霊媒師である大谷の力に心酔していたため、猿の姿をした謎の置物を大量に保持している。夜な夜な夫婦でレクリエーションをする程に夫婦仲は良好。
吉岡優希
三浦 真奈(ミウラ マナ)
「もしそうだったら、誰も見てないから。手を挙げて」
▼栄輔の妻。長期出張中であった303号室の神宮が不在の間、愛実の事を頼まれたのをいいことに、部屋に勝手に上がり込むのが日常茶飯事となっている。フワフワした物腰だが、悪意無く人をイライラさせる言動をとる事が多い。夫が大谷に傾倒している事は知らず、部屋中に溢れる妙な置物に辟易していた。
道井良樹
大谷 後夢(オオタニ アトム)
「私が怖さを紛らわせたくて書いた。ファニーで行きたい」
▼結有と愛実の父親。大谷後夢という名の霊媒師として活動しており、303号室の除霊を行う。当人に霊能力などはなく、猿の姿を模したただの置物を御守りと称して高額で販売していた為、詐欺罪で収監される。服役中に妻は心労で病没し、結有も自ら縊死した事から、唯一の家族である愛実からも見放される。