タリム
▼瀬尾卓也▼
勝手にこんな壁で仕切られて違う国だって言われても納得いかないよ。
前ビスキア町長の息子。
壁に隔てられて離ればなれになってしまった妹を連れ戻そうと日々奮闘している。恐れを知らない行動力をもっているが、その一直線な行動が周りを冷や冷やさせる。
ラン
▼林佳代▼
あの人は町長である前に、夫であり、父だったんです!
タリムとマイの母。
前町長の妻として向けられている住民達の期待に、応えたいと思いつつも気負いも感じている。娘の身は案じているが、それをどうする事も出来ない自分を悔やんでいる。
ゴドウ
▼小平伸一郎▼
町を取り戻す為だろ。壁を取り除く為だろ。
東ビスキアの商人。
かつては国境に作られた壁や、駐屯する軍隊に対し密かに抵抗活動をしていた。弾圧で組織が壊滅したため、今では商人を装っておとなしく暮らしながら機会を伺っている。
セリ
▼田口愛▼
東だ西だと言っても、元を糺せば私たちは同胞なのですから。
ゴドウの妻。
資産家であり、かつては抵抗活動を支援した事もあった。だが、やがて町の平穏を第一に考えるようになり、今では駐屯部隊に対し金銭的援助や協力をしている。
ハッシ
▼添野豪▼
与えられた事、教えられたとおりに生きてくしかないんだよ。
町のウルを管理する男。
危険な外へ出向き、必需品であるウルを採取してきて、人目に着かないサマの酒場で保管している。ウルが枯渇している事に危機感を抱き、また自分を責めている。
ニコル
▼片桐はづき▼
何も疑わずに生きてきた。でもまだまだ知らない事だらけなの。
ハッシの妻。
新しい町長が決まるまで町会の取りまとめ役をしていた。表面上は町の実力者であるセリを立てる風を装いながら、反りは合わなく、心の中は穏やかでない物がある。
ムゴル
▼岩田裕耳▼
自分にもこんな能力なかったのに、正直戸惑っております
東ビスキアの医師。
夫を失ったと思い込み心身を病んだユカリに親身になって尽くした。自らの器の小ささを認めているがゆえ、ダムスが生還し、今の生活が壊される事に、危機感を覚える。
ユカリ
▼志賀聖子▼
変化を受け入れてこそ、今があるんじゃないですか
ムゴルの妻。
戦争から戻らない夫が戦死したと思い、日々悲しみに暮れる。生きる気力も失っていたが、癒してくれたムゴルと再婚した。ダムスの帰還によって激しく気持ちが揺れ動く。
ダムス
▼山村真也▼
ただ、そっち側にある我が家に帰りたいだけなんだ。
ユカリの元夫。
先の戦争で徴兵された男。終戦してから数年間も消息不明であり、その当時の記憶は本人も曖昧である。町に戻っては来たが国境の反対側に辿りついた。
ジロー
▼高橋大輔▼
そんなに身を尽くす価値があるんですか、あの行政官に。
ウルの井戸を掘る技師。
友人であるタリムの計画に巻き込まれ、最近は本業の井戸掘りをおろそかにして夢中になっている事がある。気の優しさが災いして、常に他人の強引さに振り回される。
サマ
▼小舘絵梨▼
私に聞かれたらマズイ?私が役所に通報するとでも?
町の地下で酒場を営む女。
ごく最近町に住みついた為、その素性は誰も深く知らない。兵士の目を潜り抜けながら違法とされる酒場を開いていて、一部の者だけが知る溜まり場となっている。
レイジ
▼関田剛志▼
たかが侵入者一人にあそこまで色めき立たなくても。
ビスキア国境警備隊兵士。
故郷を愛しているが為、志願して国境の警備兵となった。自らも兵士ではあるが兵士に反感をいだく旧友ゴドウらの心情も理解している。仕事は適度に手を抜いている。
ノーベン
▼横島裕▼
我々人間は檻の中の動物を見ている。いや見ているつもりでいる。
ビスキアの行政官。
ERE政府から派遣され、最近着任した行政官。行政官でありながら町の治安は兵士達が握っている為、軽んじられ、威厳が損なわれている事に不満を感じている。
ミド
▼堤千穂▼
例え私の命が亡くなろうと、閣下は私がお守りいたします。
ノーベンに仕える秘書官。
戦災孤児であった所をノーベンに保護され、育てられて以来、ノーベンに忠誠を誓い、彼の為であれば自らや他者を犠牲にしてでも尽くそうと決意している。
セナイ
▼高田淳▼
あの男一人を片づけて済む話ではない。
ビスキア国境警備隊副長。
前隊長に代わり国境の兵士たちを率い、同時に前隊長が殺害された経緯を調査する為に新たに赴任してきた。その強硬な姿勢に既に住民達から恐れられている。
コバル
▼片桐俊次▼
かといって、これ以上、無闇にウルは燃やせません。
ビスキア国境警備隊副長付。
元々は前隊長の側近であったが、後任のセナイを引き続き補佐している。若い為、他の隊員からは下に見られている一方で、目上の者にも人を食ったような言動をする。
フラノ
▼セキュリティ木村▼
お前が俺を嫌っているという事はないよな!?
ビスキア国境警備隊副長代理。
セナイと共に赴任した国境警備の責任者。職務より自らの保身と出世の事を第一に考えている。上の者には弱く、下の者には強い為、周囲からの信望は薄い。
ビスコ
▼羽賀佳代▼
いざとなったらこの場所に立ち入る事を恐れてはならないのでは?
ビスキア国境警備隊兵士。
新たに配属された兵士。上官の命令に盲目的に従う軍人精神の塊。元々は激しい戦闘地帯にいたとされる為、紛争の起きない国境警備に違和感を感じている。
シム
▼今村聡▼
俺は自分に尊厳がある限りは抗い続ける。
ビスキア国境警備隊兵士。
事件の調査にあたる中で地下室の男に興味を持ち、接触を試みる。激高しやすい性格だが、軍に対して冷めた視点をも持っていて、やがてそれを行動に移す。
ナトリ
▼新野アコヤ▼
そうまでして守らなければならない秘密なんです。
ビスキア国境警備隊兵士。
シムと対照的に冷静な実務家で、セナイの意図を理解しており彼の信頼も厚い。町が様々な混乱に晒される中、収束に向けて的確に対応を進めようとする。
バクー
▼道井良樹▼
こっちは折角気分よく飲んでたのを中断してきてるんだぞ。
西ビスキアの顔役。
事なかれ主義の流されやすい男で常に少し酔っているかのような言動をする。フミコとスズにおちょくられる毎日だが、誰よりマイの事を気遣っている。
マイ
▼涌井とも子▼
無事でいてくれたらそれでいい。だからこうしてまた逢えた。
タリムの妹。
町の西側を訪れていた際に壁の分断に遭遇したため、東へ戻る事が出来なくなった。毎日の様に外の国境付近でタリムと顔を合わせるのを心の拠り所にしている。
フミコ
▼なしお成▼
生きてたが為に、苦しまなきゃならない事もあるけどね。
EREを仇と憎む女。
町の分断で夫と引き離されて以来、西側にて暮らす。その後、東側で起きた抵抗運動に参加した夫が、弾圧に遭い命を落としたことから、仇を討ちたいと願っている。
スズ
▼犬井希美▼
もっと命に関わる事かと思ってたんですけど。
バクーとフミコの世話焼き係。
数少ない西側住民として、バクーやフミコの強引な要請により、やりたくもない酒場を営まされている。本人は何かにつけて楽天的であり、何事も深く考えていない。
アイン
▼小原雄平▼
私が人間かどうか、証明するのは簡単じゃない。
行き倒れの男。
ただならぬ様子で町の西側に辿りつき、警備兵の見ている前で国境を越えて東側に侵入した。ある住民の家で保護されたが、一部を残して記憶を失っている。
タダキ
▼谷仲恵輔▼
お前達、簡単に戦争を起こすくせに、何故死から目を逸らす。
地下に収監されている男。
発見時、誰もその存在を知らなかった地下室に、長い期間ただ一人で座っていた。その目的や経緯は不明だが、その目の奥底には人間への強い復讐心が宿っている。