風間 庸平
マツダ
「だからね。私も、彼らを解放したいと思っていたんですよ」
▼真珠湾攻撃に参加した海軍飛行兵曹。被弾して島に不時着した。島民に襲われ海に打ち捨てられたが、翌朝、海岸で発見され屋敷で介抱される。一時的に記憶を失っていたが、不時着した機体を見て自分が何故ここにいるかを思い出し、奪われた荷物を取り返す為に行動に出る。
日向 翔梧
アラタ
「でも代理人を名乗れってのは、無茶を言うよね」
▼マツダと同じ日に、海岸に打ちあがっていた男。島民のレイによって介抱されるが自分が何者であるか名前以外の記憶を失っている。島がロビンソンという一個人によって支配されている事に憤りを感じ、ジムとレイの為に、新しい代理人と偽って屋敷に乗り込む。その正体は謎。
岩田 裕耳
ヨシオ
「それを早く言え!何だ今の泥の話!」
▼日系人の代理人。ロビンソンの依頼により島民の暮らしを管理してきた。島民から慕われていない自覚はあり、その生活に取り立てて深く介入しようともしない。自分に日本の血が流れている事は誇りに思っている。一日本人としてマツダに同情し彼を救おうとする。
新野 アコヤ
ウメ
「全身ずぶぬれだったあの人は河童ですね」
▼ヨシオの妻。現地の言語はわからないが、島民たちには家族の様に接しようと努めている。長年、夫婦の夢であった日本食のレストランをアメリカ本土で開業する事が決まり、間もなく島を離れる事になっていた。去るにあたり、島の女性たちに日本の味噌の作り方を伝授する。
小原 雄平
イシマツ
「多くの言語を知るという事は、役に立つ」
▼現地の言葉に明るい為、日系人が派遣される事が多い代理人の職務を手伝っている。通訳とはいえ、そこに自分の主観を込める為、島民からは信用されてはいない。現代理人とは馬が合い、ヨシオの無謀とも言える行動に巻き込まれて、時にたしなめながらも協力する。
犬井 のぞみ
アリナ
「自分が何をしたかわかっているの。何が目的なの」
▼代理人の屋敷で給仕を務めている。屋敷で働く事で、何かしら重要な情報を報告するよう、兄ハウリアに送り込まれている。代理人夫妻やイシマツを心の底では信用していないがそれを表面に出す事はしない。反面、ウメに訪れる過酷な境遇を思い、その身を案じて心を痛めている。
ドロンズ石本
ハウリア
「違う。配っているのは俺だ。俺が木札配るおじさんだ」
▼白人に奪われた島の土地を、長年かけて金銭で買い戻し、農園と牧場を経営している現実主義者。代理人の事を邪魔だとは思っているものの、なりふり構わず媚びを売る事で、今と、そして未来の生活が安泰になると考えている。ナーショという5歳の牝牛を可愛がっている。
町屋 圭祐
マウナ
「実は私も昔、指名を受けた事があります」
▼山の上にある無線所に勝手に住みこんで機械の手入れをしている男。知識と経験に基づいて島民に数々の助言をするが大抵的が外れている。それでいて話好きである為、若干煙たがられている。半世紀以上生きている老人だが、謎の液体を毎日浴びている為、見た目は若々しい。
道井 良樹
ベニヘカ
「お前のように誇りを捨てられたら楽だがな」
▼島の北部を治めていた部族長の末裔。かつては一族の土地だった場所がすべて奪われ、今では財産を持たない。誇り高い男が故に、白人の為に労働をする事を嫌い、家で寝ている事が多い。妻のミキが他の男と通じていると邪推し報復するが、誤って漂着したマツダを襲ってしまう。
小舘 絵梨
ミキ
「古い盟約にいつまで縛られなければならないのかしら」
▼古くからの宗教を司る家の出身。慣習によりベニヘカの妻となる。亡き一族の誇りにすがる夫に呆れ、自らも奔放に生きようとしていた矢先、他人の生命を持て遊んだ罪に苛まれる事態がおきる。思わせぶりな態度から、カイに好意を持たれているが、彼女にはその気は特にない。
片桐 俊次
ジム
「復讐からは何も生まれない。お前は家へ戻れ」
▼ハウリアの牧場の手伝いをしている。戦闘機が不時着した日、牧場で「事務」と書かれた木札を拾う。妹と一緒に、変わらない日常を平穏に暮らす事が何より重要だと考えている為、指名を極度に嫌っている。アラタを代理人に仕立て上げて、指名から逃れようと奔走する。
大野 ひろみ
レイ
「戦争に巻き込まれるなんて、望んでいたはずがない」
▼頼りない兄の世話を焼きながら、数年前に指名された父親の身を案じている。その際に助けてくれなかったイシマツを恨んでいる。指名される事で島の外へ出て父親を捜したいと願っていたが、父が戦争で犠牲になった事を知り、抑えていたものがすべて復讐心としてあふれ出した。
塚原 直彦
カイ
「お前が盗み出したものだ。お前がこの騒ぎをややこしくしてる」
▼漁師の男。欲深いハウリアや、自己中心的なベニヘカを窘める。ミキの境遇に同情し、また好意も持っていた為、食料品として魚を分け与えている。指名を利用してベニヘカを島から追放しようと画策するも、マツダに対してベニヘカが毅然と立ち向かった姿を見て考えを改める。